落葉亭

過去ログ90 2016/11/4 11:00

▼chiharu
山茶花、平成28年9月号

わが夫の腕に止まりし蚊を叩く

時の日や時計の電池入れ替へて

虹かかりあくまで青き水平線

梅雨籠サイト閲覧ばかりして
2016/11/4

▼chiharu
ホトトギス、平成28年9月号

初夏のガイドブックを持たぬ旅

金色のピアス揺らして夏めきぬ

母の日の母の絵を書く男の子
2016/11/4

▼chiharu
平成28年、8月

底紅や格子のついた障子窓

鍬形の表紙ジャポニカ学習帳

中元やまたバラの絵の包装紙

花火する明日東京へ帰る子と

この旅の締めの線香花火かな

病室の窓に顔寄せ花火見る

原爆忌みな黙祷の甲子園

かなかなや命の燃ゆる音のして

蜩や今ふる里の駅に立ち

流星やオペラハウスを眺めつつ

七夕はハチ公前と人を待つ

秋涼し朝の珈琲テラスにて

夏霧に包まれてゐる展望台

新涼や川の奏でる水の音

夏霧やまだ濡れてゐる滑走路

雨もまた旅の思ひ出休暇果つ

秋暑し道に迷ひしレンタカー
2016/11/4

▼chiharu
山茶花、平成28年8月

スペインの白き街並旅五月

更衣エプロン替へしだけのこと

二階席小暗きカフェの窓若葉

背番号なきユニフォーム若葉風
2016/11/4

▼chiharu
ホトトギス、平成28年8月

立つたまま食べるステーキ四月馬鹿

風船を飛ばしてチャペルウェディング

シクラメン迷ふことなく白を買ひ

満開の花に試練の雨となる
2016/11/4

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