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haru
令和5年 山茶花6月号
保護猫の里親決まりあたたかし
卒業の子の制服の寄付をして
囀やビルの屋上にも庭園
桜餅少し濃いめに抹茶点て

haru
令和5年 山茶花5月号
語り継ぐ歴史憲法記念の日
涅槃図の赤鬼の目に涙かな
初午やドミノのやうな赤鳥居
バレンタインデー空白の予定長
荒波に鍛へられたる若布刈る

haru
令和5年 花鳥諷詠5月号
放課後の教室バレンタインの日
(木村享史 選)

haru
令和5年 山茶花4月号
夜更しを許されし子へ除夜の鐘
初みくじ吉に可もなく不可もなく
極楽と呟いてゐる初湯かな
厄年の手に授かりし破魔矢かな
放水を虹色に染め出初式

haru
令和5年 山茶花3月号
アパートの小さきベランダ蝉を掃く
泳ぎたくなるほど冬の空青く
なほ続く戦渦のメリークリスマス
風邪ひいて約束一つ消えにけり
作庭は父の道楽龍の玉
古民家の屋根をせり出すほどの雪
街中にあふれてクリスマスソング

haru
令和5年 山茶花2月号
手を打てば寄つてくる鯉七五三
シフト表貼つて勤労感謝の日
(三村純也主宰の句評あり)
組みかけのパズルを組みて湯ざめかな
小鳥来るテラスに予約席の札

haru
令和5年 山茶花1月号
献立にあと一品の冷奴
雨やんで木犀の香に重さあり
円楽の亡き大喜利の秋惜しむ
赤い羽根一つ残りし回覧板
紅葉谷見下ろしてゐるロープウェイ