落葉亭
過去ログ108
2018/8/4 21:09
▼chiharu平成30年 ホトトギス6月号
明易や眠ることにも力要る
五月雨や写真の裏の覚へ書き
約束の人待つテラス風涼し
海霧深し海抜ゼロの町釧路
館涼し煌めき宿るシャンデリア
雨降つてこその紫陽花見に行かう
片恋といふ恋もありさくらんぼ
あぢさゐの寺に西門東門
父の日の父ジーンズを穿きこなし
夏至の日の駅のホームに人溢れ
餌くれしばかり目高をまた覗く
2018/8/4
▼chiharu平成30年 山茶花6月号
春の風邪眠くなくとも欠伸出て
ただ歩くだけの汀に桜貝
燕来るシャッター下りし店ばかり
油断してまたぶり返す春の風邪
喧嘩して泣いて笑つて卒業す
歩きつつ摘みし蕨の一握り
子の丈に屈めば土筆見つけたり
春泥のスパイク並ぶサッカー部
土筆摘む故郷の野の起伏かな
2018/8/4
▼chiharu平成30年 ホトトギス6月号
春を待つ心はいつも前を向く
クロッカス光踊つてゐる窓辺
2018/8/4
▼chiharu平成30年 5月
語るなら未来憲法記念の日
旅五月ホテルに置かれある聖書
初夏や踏切越えてすぐに海
夏めくや水平線の空の色
貝殻に耳当ててみる立夏かな
ソネットに起承転結修司の忌
花蜜柑飽くまで青き伊豆の海
母の日の宅配便のチャイムかな
根気よく粘り烏賊釣る男かな
戦なきこの世に生きて菖蒲風呂
五月雨や子規の写真のセピア色
こどもの日オムライスには旗を立て
2018/8/4
▼chiharu平成30年 山茶花5月号
水菜畑富士の湧水引いてあり
波しぶき被り海苔掻く男かな
大試験てふ人生の岐路に立つ
白梅の古木にありし力かな
春の雪傘差すほどのこともなく
米寿なる父にもバレンタインチョコ
2018/8/4