落葉亭
過去ログ119
2020/3/13 15:15
▼haru令和2年 山茶花2月号
袴着の足元軽きスニーカー
単線に待ち時間あり日短
店仕舞ひせし店頭の落葉掃く
紅葉且つ散る男坂女坂
人肌にミルク温め今朝の冬
待つてゐる人なき部屋の寒さかな
2020/3/13
▼haru令和2年 2月
立春や横文字多き龍の絵馬
春寒しシネマに一人きりの客
恋猫や男と歩く歌舞伎町
自転車を押してミモザの花の下
コンサート中止の知らせ冴返る
疫病に売り切れとなるマスクかな
2020/3/13
▼haru令和2年 山茶花1月号
和菓子屋の暖簾下ろして秋の暮
ここからが金木犀の香の範囲
栗をむくオリンピックの記事の上
朝寒や犬の散歩を日課とし
結納の膳の松茸づくしかな
2020/3/13
▼haru令和2年 1月
早番の目覚めぬ体星冴ゆる
セーターの母とは違ふ畳み方
スクラムを組み一丸となるラガー
病窓に初島見えて初御空
源泉の湯気たくましき寒卵
柴又駅に寅さん像冬日向
水筒に湯気ひとすじの冴ゆる朝
寒晴やスカイツリーと富士山と
春を待つ猫が眺める窓の外
待春や悩みも生きてゐる証
2020/3/13
▼haru令和1年 山茶花12月号
虫の音に包まれてゐる無人駅
小鳥来て午後の紅茶にしましょうか
童心に戻り団栗拾ひけり
長き夜の既読のつかぬメッセージ
通勤にまだ手離せぬ秋日傘
2020/3/13